消費者心理から学ぶ販売戦術|恐怖体験を売る方法

「消費者はいったい、何を考えているのか。」このように頭を悩ませる経営者は少なくありません。

自社で販売したい商品があるけど、売り始めて全く売れなかったらどうしよう。投資額に見合ったリターンがなかったら赤字だ!

このように考える人が一般的です。

ビジネスをしていれば誰でも行きつく悩みの一つに数えられます。

今日はそんな、小規模事業者でも大手企業でも共通して悩む消費者心理の解釈の基本について解説します。

感情訴求技法|奥が深いけど、入口は一緒

恐怖を味方に付けると、仰々しいタイトルにしているので、ワクワクしながらこの記事を見ている人もいるでしょう。

正確な数値こそないものの、日本人の商品購買欲求は「不快」があるからこそ。

「快」の感情で商品を買う人はとても少ないといえます。例えば次のような不快感情です。

  • 老後2000万円問題
  • 年金ゼロの可能性
  • ウイルスやパンデミックによる経済不振
  • パートナーとの別れ

twitter、YouTube、InstagramなどのSNSはもちろん、新聞や各種メディアで報じられている世間一般的な情報源は、基本的ほどすべてが「不快」要素で成り立っています。

テレビニュースを見ていて、冒頭に事件や政治家の問題、著名人のスキャンダルを取り上げるのは、「不快」の方が一般人の心をつかめるからです。

つまり、商品の購買行動を起こして売上をより多く立てたいのであれば、「不快」の感情に訴求しない手はありません。

ではいったい、どんな「不快」に訴求すればいいのでしょうか?

恐れ、怒り、悲しみ、嫉妬など7つの大罪がスイッチ

7つの大罪というマンガがあります。

キリスト教ので7つの死に至る欲求のものですがビジネス的側面で見たとき、客観的に解釈することで、とてもわかりやくペルソナの欲求をくみ上げることができます。

  • 恐れ
  • 怒り
  • 悲しみ
  • 嫉妬
  • 暴食
  • 性欲
  • 強欲
  • 怠惰

これらの概念で、何を集中的に癒すかでビジネスを建設的に構築することができます。

例を少し上げさせていただきます。

ドミノピザ

ピザ屋さんとして独立するとき、最初は宅配サービスなんてありませんでした。
なぜ宅配サービスなど始めたか、それには理由があります。

さすがに過去に遡って確認したわけではないので定かではありませんが、解釈を広げることでどんなことコミットメントしていたかがわかります。

宅配サービス

まずもって「店にいくのが面倒くさい」からです。

店に言ってピザが焼きあがるのをただただ待ってりうのは、もはや苦痛です。

そこで宅配サービスの出番です。ちょっとお金を多く払えば、家で待ってるだけでピザがいきます。

お客さまの「めんどうくさい」をサービスにして商品にし、パッケージにすることで、売上を飛躍的に高めることができたといえます。

かつ、どうせ頼むのならいろんな種類が食べたいとなり、「怠惰」と「暴食」に訴求しているといえます。

お店に並ぶ苦痛を解消

お店に来店し、注文し、ピザを作っていもらっている間、お店の中で待たざるを得ません。

つまり次のような公式が成り立ちます。

ピザを食べる=時間がかかる

ピザを味わうだけであれば時間は掛からないかもしれない。

ですが、ピザを食べたいからといって、お店に行って注文して、15分とか現地で待って帰宅するといううちに1時間はかかってしまいます。

その時間を節約することができれば、「その時間を使って○○ができる」となるわけです。

待ち時間にイライラすることもないですから、家族や仲間とケンカしてしまうリスクも回避できます。

恐怖を感じる瞬間が購買行動が生まれる瞬間

こんな書き方をしたら、もしかしたら嫌われてしまうかもしれない。

しかしながら、とても重要なことなので、あえて今回は「恐怖」を題材にして執筆をしています。

恐怖があるからこそ「何かしなければ!」となり、行動欲求をかき立てられます。

では恐怖が生まれる瞬間はどんな時でしょうか?

いくつか大別したテーマをお伝えさせていただきます。

  • 健康的な心配がある
  • 未来への不安がある
  • 具体的にどうしたらいいか見えない
  • お金が余分にかかる、経済の不振

これらの恐怖に対して、一つの商品ですべてを解消する価値観でプロモーションを出してみる。

といっても、そう難しいことではなく、この世にある商品の購買行動は、すべてこの4つの原則に則って成り立っている。

あらゆる悩みを解決するコンビニ

生きているだけで多くの課題が存在します。

コンビニが解決する悩みは何があるかを客観的に解釈をしてみると、意外と奥が深いのがわかります。

  • 大抵すぐ近くにある
  • 行けば生活必需品がそろう
  • 雑誌や本、新聞、音楽など、エンタメも手に入る
  • 来客用のお菓子なども手に入る
  • 税金など各種支払いやATMも完備

その代わり、多少単価が高くても誰も文句を言わないということです。

家から少しだけ歩く必要はありますが、それでも「欲しいものが大抵手に入る」ので、怠惰な人でも歩いて悩まずにいけます。

これをさらに、もっと横着ができるように発展したのが通販です。

一日待ては、すべて手に入るのが通販

スマホで注文して、最短翌日配送されてくるのがわかれば、わざわざ欲しいものを手に入れるためにお店をハシゴする必要はなくなります。

Amazon、楽天、メルカリなど、仮に返品が生じた場合でもスマホで何回かタップすれば処理が完了してしまうくらいにカンタンです。

こういった、すでにある程度完成のカタチを見せていて、かつ進化を続ける企業のやり方をモデリングして、自社の経営戦略やマーケティングに活かしていきます。

そうすれば、どうしたら商品開発ができるのかとか、マーケティング戦略が組めないとか、具体的にどんな戦術を辿ったら売上につながるのかなどで、悩む時間を最低限にすることができます。

経営は奥が深いからこそ原点回帰を忘れない

タイトルでは「恐怖」を題材にしていますが、感情をつかむことができるようになれば、計り知れないメリットが得られます。

怒りや恐怖など「不快」に属する感情を、率先して感じていたい人はこの世に存在しません。

だからこそ、1秒でも早く不快から脱するために、不快から快になるための商品やサービスが溢れています。

その結果、多くのお金を支払うとしても、不快から脱するために必要だと思わせることができてしまえば、金額的に高額の場合は別問題ですが、基本的に値切ろうとは思いません。

解釈を広げ、実践を重ね、いかに臨場感のある不快を伝えるかで、販売行動における成果が変わってきます。

自社で販売しようとしている商品が、どんな不快を解消できるかをよく解釈して、見込み客に喜んでもらえるマーケティング戦略を組んでみましょう。

最初から完全体を目指す必要はありません。

まずは60点くらいの完成度を目指して、自社をより良い方向へ進化させていきましょう。