マネーフォワードの北極星を分析してみた

株式会社マネーフォワードの2021年11月期決算説明会をもとに北極星、ビジョン、ミッション、戦略を分析してみます。

企業における極星とは、社会へ提供できる独自の価値、すなわち存在意義のことです。ここ数年流行りのパーパス経営のパーパスとほぼ同義語になります。
なぜ社会に存在するのか、存在したいのか、影響を与えたいのかを明確にすることで社員エンゲージメントが向上し、強い組織になります。

マネーフォワード2021年11月期通気決算説明資料から独自の解釈でフレームワークに落とし込んでいきます。
マネーフォワード社が発表しているビジョン、ミッションと異なりますので、ご注意ください。それではマネーフォワードを分析していきましょう。

マネーフォワードの北極星

お金を前へ。人生をもっと前へ。

「お金」は、人生においてツールでしかありません。
しかし「お金」とは、自身と家族の身を守るため、また夢を実現するために必要不可欠な存在でもあります。
私たちは「お金と前向きに向き合い、可能性を広げることができる」サービスを提供することにより、ユーザーの人生を飛躍的に豊かにすることで、より良い社会創りに貢献していきます。
(マネーフォワード社ホームページより。)

マネーフォワード社は、「人生をもっと前へ」の人生部分を3つの重点テーマを定義しています。

  • ユーザーの人生をもっと前へ
  • 社会をもっと前へ
  • 社員の可能性をもっと前へ

そして、それを支える土台として2つ定義されています。

  • マネーフォワードのMission/Value/Cultureの浸透
  • 責と守りを両立させるガバナンス

マネーフォワードのステートメント

ステートメントとは、北極星から派生したわかりやすい宣言です。
マネーフォワードの資料のビジョンにかかれているものがステートメントにあたります。

すべての人の、「お金のプラットフォーム」になる。

オープンかつ公正な「お金のプラットフォーム」を構築すること、本質的なサービスを提供することにより、個人や法人すべての人のお金の課題を解決します。

明確にマネーフォワードの存在、あり方を宣言していると思います。

マネーフォワードのビジョン

ビジョンとは、実際に達成できる将来の目標、山で言えば山頂になります。長期、中期、短期の目標、KGIを設定します。そして、それは北極星とつながっていなければいけません。
ほとんどの企業のビジョンが向かうべき北極星、パーパスと関連の無い、分かりづらいものとなっています。シンプルに10年後、3年後、来期どういう状態になっているかを定めます。

決算資料の中で将来の目標が書かれていたのは

  • 法人向けサービス売上比率をFY24において30%以上、ストック売上比率をFY24において60%以上を目指す

また、中期的な成長投資に関する方針及び2022年11月期の見通しから、

  • 中期的な売上高CAGR(年平均成長率)を30~40%
  • 2022年11月期の短期見通しとして、連結売上高は203.2~218.9億円、EBITDA(一般的に税引前利益に特別損益、支払利息、減価償却費を加えて算出される利益)が最大△24.0億円

2022年11月期の見通しからビジョンを探ります。
ビジョンはグループ会社全体、すべての子会社、すべての事業部が設定しても構いませんが、上流から下流までが一貫して構造化するように決めなければなりません。できれば金額で無い目標も併用すると社員のモチベーション、ステークホルダーの共感心理的には有効です。
例えば、クラウドサービスを通じてn万社の顧客を幸せにしますや、支店を全国に3000店舗に拡大しますといった目標になります。

  • SaaS AAR(年間経常収益)200億円
  • 法人向けAARは108.5億以上

マネーフォワードのミッション

ミッションとは目指す状態、すなわちビジョンを達成するために行う任務、提供価値のことを指します。
マネーフォワードは創業時のマネーフォワードだけでなく、M&Aを積極的に進めており4つのジャンルを定義しています。

  • SaaSマーケティング支援
  • ファイナンスサービス
  • Fintech推進・DX支援
  • バックオフィス向けSaaS
  • PFM(家計簿・資産管理)サービス

共通コアテクノロジーをベースに、法人、個人、金融機関向けのサービスを開発するとしています。それぞれのサービスごとにミッションが設定されています。資料のP32、P35~記載されています。

マネーフォワードの戦略、バリュー&カルチャー、ブランド

北極星、ビジョン、ミッションが設定されました。
次はミッションをどのように実現するか戦略、バリュー&カルチャー、ブランド、が必要になります。

バリューとカルチャーについては、ホームページに掲載されております。

https://corp.moneyforward.com/aboutus/mission/

戦略、ブランディングについては決算資料をご覧ください。

まとめ


マネーフォワードの北極星、そこからのビジョン、ミッション、戦略について独自視点で解説させていただきました。